フリーランスを目指す初心者にとってWordPressはまだ最強だった

CMSは沢山登場しているし、WordPressオワコン説もあるし……今からWeb制作の学習を始めるのに、WordPressの勉強は必要なの? という話は、Skillhubで問い合わせ・ご質問頂くこともありますし、社内でも話題になります。

結論から言うと、タイトル通り。フリーランス・副業など、個人で仕事を受けたい方は特に、WordPress制作が出来たほうが良いです。以下では、その理由や、WordPress制作を学習するメリットについて、改めて紹介していきます。

WordPressは圧倒的1位!

現在のWordPressのシェア率を確認してみましょう。
以下ではWebテクノロジー系の第三者調査機関『W3Techs』が公開している、コンテンツ管理システム(content management systems / CMS)の使用統計・シェア率ランキングを元に、WordPressの現状を簡単にまとめました。

CMSの中でWordPressのシェア率は世界No.1

まずは、全世界を対象とした、主要CMSのシェア率。

本記事作成時点(2024年4月)で、WordPressのシェア率は62.8%。
CMSシェア率では、圧倒的1位です。

順位 CMS シェア率
1 WordPress 62.8%
2 Shopify 6.3%
3 Wix 3.8%
4 Squarespace 3.0%
5 Joomla 2.4%
6 Drupal 1.4%
7 Adobe Systems 1.4%
8 PrestaShop 1.1%
9 Webflow 1.0%
10 Google Systems 1.0%

統計の出典:W3Techs – Usage statistics and market shares of content management systems

2位のShopifyは、ECサイトの主力ですね。ただ、シェア率は約6%とWordPressよりもかなり下がります。ECではないサイトを作りたい方にはあまり向いていない、という点も関係しているでしょう。

3位のWixと4位のSquarespaceは、ホスティング一体型のWebサイトビルダーで、ノーコード(デザインパーツを組み合わせてサイト構築ができる)タイプ。HTMLやCSSなどの言語知識不要・サーバーなどを用意する必要がないという手軽さが人気ですが、シェア率としてはWordPressと大きな隔たりがあります。

日本国内のCMSシェア率でもNo.1

対象を日本国内に限定するとWordPressのシェア率はもっと高くなります。
主要CMSの8割以上をWordPressが占めています

順位 CMS シェア率
1 WordPress 82.5%
2 Shopify 2.8%
3 Adobe Systems 2.8%
4 カラーミーショップ 1.9%
5 ホームページ・ビルダー 1.7%
6 EC-Cube 1.7%
7 Jimdo 1.6%
8 makeshop 1.0%
9 はてなブログ 1.0%
10 Studio 0.5%
11 Futureshop 0.5%
12 WebSphere Studio 0.4%
13 Livedoor Blog 0.4%
14 a-blog cms 0.4%
15 Wix 0.4%

統計の出典:W3Techs – Distribution of content management systems among websites that use Japanese

ちなみに、世界版ではシェア率3位にあるノーコードホームページ作成ツール『Wix』は、日本国内のシェア率0.3%。Adobe Systems(Adobe Dreamweaverなど)やホームページビルダーなど、古くから使われているものの方がまだシェア率は高いです。

全Webサイトで見てもWordPressはNo.1

CMSの中ではWordPressが1位、めちゃくちゃメジャーな存在です。
ですが、世の中にはCMSを使っていないWebサイト/Webページや、統計対象にならない自社オリジナルのコンテンツ管理システムを使ったWebサイトなんかもありますね。

『W3Techs』では、インターネット上にある全Webサイトが対象の統計も発表されています。
2024年4月(Apr)時点での、WordPress使用割合は43.3%。
Webサイトの3分の1以上が、WordPressで作られていると言える結果です。

引用元:W3Techs – Historical yearly trends in the usage statistics of content management systems

年代別に見ていくと、赤線で囲った部分、2021年にNone(CMS未使用もしくは統計対象外システム使用)Webサイトの割合を、WordPressが抜いています。CMS標準というか、Webサイト標準=WordPressになったのがここ。

Shopify、Wixなど他サービスも伸びていますが、WordPressはまだまだ桁が違います。
この結果から、当面はWordPressのシェア率が急降下する・減速していく可能性は低いと考えられます。世界で最も人気があるCMS=WordPressという状況はしばらく続くでしょう。

WordPressのデメリット・オワコン説の根拠って?

圧倒的シェア率なのに、数年前からずっと囁かれているWordPressオワコン説。
その根拠・WordPressのデメリットか何か、Webデザイナー目線でちょっとだけ考察してみました。

1.発言者の立場・スキルの差

フレームワーク推し派閥がある

Webエンジニア目線だと、WordPressを使うメリットはあまり無いようです。
Skillhubのグループ会社でも受託開発などを行っていますが、この場合、エンジニアの方々はクライアントのニーズに合わせたシステムを作られています。WordPressを使って何かを作るのではなく、企業のニーズにあったシステムを1から作れるのがエンジニア。極端な話、WordPressそのものを自作できる人たちです。

WordPressは万能なCMS。
その分、内側は面倒なことになっています。コードがぐちゃっとしていたり、自由度が低かったり…。1から作れるスキル・経験がある方々にとっては「WordPress使うと、逆に面倒」「フレームワークを使って、必要な機能だけのものを作った方が良い」という話になるのだと思います。
コレ、私も言われたことあります。。

ノーコード推し派閥がある

WordPressの競合として、WixなどノーコードでOKなWebサイトビルダーが挙げられます。こうしたノーコードツール推し派は、Web制作に使う言語知識があまりない方、なるべくWebコンテンツにお金をかけたくない方が多い印象。

ノーコードツールは、パズルゲームのような感覚でページを作れるので、Web制作知識ゼロでも問題ありません。社内で担当者を新規任命しよう、副業用のサイトを作ろう、Webデザインやってみたい、とか思った時に学習コストがほぼかからず済むわけです。

ただし、ノーコードツールは組み合わせられるよう用意されているものを使う以上、デザインの自由度・機能に制限はあります。

2.セキュリティやSEOの問題

セキュリティについて

WordPressのデメリット・オワコン説の根拠として、セキュリティ面に不安がある、という話も出てきます。実際に問題が無いわけではありませんが、惰弱性が全くないCMSはありません。まず、Web上に存在している時点で100%安全ということはないのです。

Webサイト全体の約4割、国内で言えばCMS導入サイトの8割以上がWordPressで出来ています。多く使われているからこそ狙われやすく、報道もされやすい、という面があるのは事実。

ただし、コンピューターセキュリティ企業Kaspersky(カスペルスキー)の公式ブログでは、WordPressのセキュリティに関して以下のように述べられています。

It’s important to note that, statistically, only a small fraction of the vulnerabilities are found in the WordPress core itself. For example, for the whole of 2022, a mere 23 vulnerabilities were discovered in the WordPress core software — which is 1.3% of the total 1779 vulnerabilities found in WordPress that year. Another 97 bugs (5.45%) were discovered in themes. Meanwhile, the lion’s share of vulnerabilities were found in plugins: 1659 — making up 93.25% of the total.

引用元:What security issues does WordPress have? | Kaspersky official blog

WordPressで発見された脆弱性の内訳について、以下のように語られています。

  • コア(WordPressそのもの):1.3%
  • テーマ:5.45%
  • プラグイン:93.25%

認められている惰弱性の大半が、テーマやプラグインなど外部機能の事がわかります。
また、問題が起きたWordPressサイトの過半数が最新版への更新をしていない、という統計もあります。アップデートをきちんと行う、パスワードを完結にしない、プラグインで2 要素認証を導入するなどの対策方法も挙げられていますから、WordPressを使う人間側の意識で改善できる部分も多いのです。

SEOについて

SEOに弱いとの説もありますが、これはWordPress本体ではなくテーマの問題。
使用しているテーマが、SEOを念頭に置いて構築されたか、あまり考えずに構築されているかによる違いが大きいです。テーマ選定がしっかり出来る、必要に応じてSEO系のプラグインを選定・追加できれば問題ありません。

自社WebサイトよりSNS優先

Webサイトや自社ブログよりも、SNSの方が重要。
これは、WordPressというよりWebサイト全般で囁かれています。

実際にマーケティングの主軸がSNS、というケースもあります。

しかし、インフルエンサーになりたい!広告掲載で稼ぎたい!みたいな個人はさておき、自分で何かを売るビジネスをする場合、自社サイトは絶対にあった方が良いです。
これは、自社サイト・自社メディアが、SNSで行う認知拡大や集客活動の結果、興味を持ってくれた方が行き着く場所になるため。

画像元:トリプルメディアとは? 3つの分類と効果的な組み合わせ、メディアの選び方も解説|LINEヤフー for Business

更に、訪問ユーザー(見込み客)に対して自社を好きになってもらう施策や、お見積もり依頼の受付・商品販売なども、自社サイトですることが多いです。

結果、事業者・企業としては自社Webサイトが必要になる。
そうなると“Webサイト制作で最も人気のある選択肢”と称されるWordPressも、まだまだ使われ続けると考えられます。

フリーランスを目指す初心者にWordPressが最適な4つの理由

1.お仕事・報酬獲得につながりやすい

黄フリーランスや副業でWeb制作を始めたい初心者の方は、今からでもWordPressの学習をした方が良い理由が案件獲得・報酬獲得につながる可能性が高いからです。

業界未経験でフリーランスとして仕事を獲ろうと思ったら、高確率でクラウドソーシングプラットフォームを使いますよね。クラウドワークス(Crowd Works)やランサーズ(Lancers)、ココナラ(coconara)などが代表的です。

WordPressのメリットは、Web制作の知識がほぼなくても使えること。特に記事投稿やテキスト・画像の打ち替えなどの更新作業は、Web知識ゼロでも使えます。

これはクライアントさんにとって、かなり重要なポイント。修正や更新のために毎回依頼してお金を払うのは辛いので、WordPress導入を希望される方が多いのです。WordPressはシェア率が高いので、新規導入以外に「既存のテーマを使っていたけどデザインを変えたい」「〇〇が出来るようにして欲しい」といったご依頼もあります。
WordPress関連に強くなると、エントリーや受託できる案件がぐっと増えます。

2.業界未経験者でも、お仕事獲得に繋がる

WordPressはコーディング・Web制作の知識がない人でも使えるツールです。
WordPress 5.9からは『ブロックテーマ』と呼ばれる、パーツを組み合わせてページ作成ができる機能も追加されました。ノーコードで使えるCMSの1つでもあるのです。

ただ、本当に「何も出来ない」「Web全くわからない」状態だと、まずWordPressの導入(インストール・初期設)で躓いてしまう方も多いのです。ブログなどの更新はテキストエディタ感覚で出来ても、希望するドメインを取ったり、WordPressをインストールしたり、という作業は別ですからね。ココナラとかでは、この初期導入だけという案件も結構見かけます。

更にHTMLやCSSが分かればテーマの簡単なカスタマイズが、WordPressタグ/PHPが理解できるとオリジナルテーマの作成やプラグイン開発など、できる仕事はどんどん増えていきます。初心者から上級者まで、自分のレベルに見合った案件がある・案件を探しやすいというのも、フリーランスとして活動したい方にとっては魅力と言えるでしょう。

しかも、難易度が高くなるほどライバルは減り、報酬単価はアップします
最初は簡単な案件で業績を作りつつ、より難しい案件にチャレンジするための勉強を進めると良いでしょう。

3.上級者でなくても、クライアントの要望に応えられる

WordPressは、クライアントの要望に沿ったサイトを作りやすいのも魅力。
ノーコードのWebビルダー類と比べて、WordPressはカスタマイズの自由度が高く、多種多様なプラグインを使った機能追加も可能なことが強みです。

例えば、HTMLとCSSが出来ても、お問合せフォームから内容を送信する仕組みとか、カレンダーから予約申し込みができるシステムとかは作れません。
WordPressなら、プラグインを導入すれば機能を加えられます。プログラミングはちょっと…という方でも、クライアントの要望に合わせてWordPressサイトを構築しやすいのです。

もちろん、WordPressはテーマ(外観)もプラグインも、必要に応じて自作可能
ノーコードWebビルダーと比べると、圧倒的に「それはできません」となる事はありません。

作りたいサイトに合わせて、公開されているテーマやプラグインを使う、オリジナルのものを作る・自分で作れない時は外注に出すなど、色々な選択肢があります。
フリーランスとして活動を始めたばかり、個人で仕事を請け負うときに、このクライアントの様々な要望に応えられる選択肢の広さは大変ありがたいと思います。

発注者(クライアント)側のメリット

WordPressを導入することで、クライアントには以下のようなメリットもあります。

  • 予算が少なめでも導入できる
  • 自分でブログなどの更新ができる
  • 自分でサイトのカスタマイズができる

WordPressオワコン説ところで「WordPressのようなものを自作する」と紹介しましたが、オリジナルのCMS/Webアプリケーション開発には、ものすごく手間とお金と時間がかかります。既存のもので良いから、コストを抑えたいと考えるクライアントも大勢いて、その多くがWordPressを希望されている状態です。

また、WordPressはシェア率が高いCMSで、使い方解説動画や書籍も沢山あります。
難しいところはプロにやってほしいけど、更新業務は自分でやる(自社スタッフに任せる)と考えている方にも、WordPressは最適な選択肢になります。独自開発されたものや、マイナーなCMSだと、使い方ヘルプを探すだけで一苦労ですものね。

こちらからクライアントにCMSをご提案する時にも「シェア率が高く、情報が多い」「使い方を調べやすい」点は、押せます。メジャーだからこその安心感があるわけです。

オンリーワンのサイトが作れる

「WordPressってブログでしょう?」とクライアントさんに言われることもあるのですが、WordPressは本格的なコーポレートサイトも制作可能ですし、プラグインと組み合わせてECサイトの制作にも使われています。だからこそ「Webサイトの3分の1以上がWordPress」と言われるほどのシェア率を誇っているのです。

既存のテーマ+子テーマ制作、もしくはオリジナルテーマを使えば、唯一無二のWebサイトが制作できます。「〇〇で作ったな」「〇〇のテーマ使ってんなぁ」みたいなデザイン被りがないので、チープな印象にならないのも魅力。
このため、WordPressは Sony MusicTHE WALT DISNEY COMPANY など超有名企業のサイトにも使われています。

そのほかのWordPressサイト事例は以下記事で紹介しています。

サービス終了に怯えなくて良い

WixやSquarespaceなど“ノーコード”が売りのホスティング一体型のWebサイトビルダーは、契約すれば難しいサーバー設定をしなくてもWebページを公開できます。これ、非常に簡単で楽ちんですよね。
ですが、ホスティング一体型の場合、サービス終了されてしまうと逃げ道がありません。

WordPressの場合は、基本がインストール型。自分でWebサーバーを用意して、データベースを作成してWordPressを設置する、という流れでセットアップをします。
それぞれ連動はしているけれど、独立しているイメージです。

このため、契約したレンタルサーバーが潰れたとしても、別のサーバーに引っ越せば済みます。もし仮にWordPressが更新停止したとしても、すでに自分のサーバーにインストールしているものは消えません。
ある日を境に消えてしまう、アクセスできなくなるというリスクが低いのです。

4.スキルアップの下地になる

WordPressはPHPという言語をベースにして動いています。
WordPress独自の書き方というものもありますが、テーマやプラグインなどをカスタマイズ・自作しようと思ったら、PHPの学習が入ってきます。

更に、WordPress 5.9から導入された『ブロックテーマ』ではJSON(JavaScriptのオブジェクト記法を用いたデータ交換フォーマット)も使われています。カルーセルスライダーで写真を切り替えたいなど、デザイン上の目的に合わせてJavaScriptも使うでしょう。

WordPressの学習を進めていき、Webプログラミング・エンジニア方向に進むことも出来ます。また、WordPressでプログラミング的な思考に慣れておくと、Shopifyなど他CMSを使うときも、ちょっと公式ガイドを流し読むくらいで使えます。
WordPressでのみ役立つ知識を身につけるわけではなく、もっと汎用性のあるスキル習得に繋がるので、将来的にWordPress案件を受けないとしても無駄になることはありません。

WordPressの具体的な学習方法は?

WordPressを使ったサイト制作を行うには、以下のようなスキルが必要です。

  • HTML基礎
  • CSS基礎
  • かんたんなJavascript知識
  • かんたんなPHP知識
  • かんたんなデータベース知識
  • かんたんなWebサーバー知識
  • Webデザインの知識

意外といっぱいあるなぁ…と思った方、大丈夫です。
Web制作未経験・初心者の方は、まずHTML&CSSの基礎を身につけましょう。最低限、その2つが分かればWordPress学習に進めます。

スキルハブの『無料テキスト』では、以下の3講座でHTML/CSSとWordPressについて学ぶことが出来ます。
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ここまででWordPressのイメージを掴んで、より専門的な学習をするのがおすすめです。

  • よりデザイン性の高いHTML&CSS
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